ノープランNZ旅行記 35日目 其の弍
その後、バスに乗ってリッチモンドへ向かった。
到着してすぐにでもブルワリーを回る気満タンだったのだけれど、この日お昼前の時間帯にビール屋さん、
いわゆるタップルームはまだ開店していなかった…
しょうがない、タイミングだなと思って街をぶらつくことにした。
歩きながら、この街は年配の人が多いと感じた。特に、カートに乗ってるお年寄りが多かった。
日本ではカートに乗っているお年寄りをあまり見ないから、新鮮で目についたのかもしれない。
日本は極端な高齢化が進んでいるけれど、大なり小なりどこの国でも高齢者の方が増えてきているのかな、と思った。
歩いていると、レストランを見つけた。ここはすでに開店していた。
リッチモンドに来る前にネットでお店を探していた時、食べ物イマイチだなー、と写真を見て思っていたお店だった(ごめんなさい)。
まぁでも選択肢もほぼなかったし、行ってみないと分からない、ってことでとりあえず入ってビールを注文した。
カウンターのおばちゃんはとても愛想が良くて「ラブリー」を良く使っていた。
今でこそよく耳にする「ラブリー」をNZで聞いたのは、この時が初めてだったかも。
アメリカ、イギリスと英語が母国語の国に行ったことはあるけど、「Lovely」を日常会話で聞いたことがない。
だからこれはNZの特徴。「Lovely」と聞くと気分的にハッピーになる。
ビールはハーフパイントを注文した(2杯飲んだけどw)。
この時は午後から本命のブルワリー行くつもり満タンだったから。
街中を歩いていた時に、近くにあったカフェが少し気になっていて、ご飯だけはそのカフェに食べに行こうかと当初は思っていた。
だから、このお店で食べ物を注文するかどうか悩んだ。
日本にいた時、そういう感じでよくハシゴしていた。
でも、それって少し時間とお金の損をしているかも、と少しづつ思うようになっていた。
僕は気が散りやすく「あれもこれも」と欲を出しがちだった。
一旦決めたらそこの場に身を任せる。
「なるようになる」だし「目の前のものことを受け入れる」だ。
もちろん、例外はあると思うけど。
でも、結局ヴィーガンバーガー的なものを頼むことにした。
このお店がそこまで嫌な雰囲気ではなかったから。80’sの曲のMTVを流していたのも良かったし(笑)
(80年代のポップ、ダンスミュージック的は好きなジャンル)
食事をすませた後、お店近くのベンチで少し座っていた。
すると親子連れだと思われる2羽の鳥が近くにやってきた。
近くにいた親鳥が子供の鳥に餌を口移しで食べさせていた。
観察していたら、親鳥は時々少し離れたところに飛んで行ったり、常に近くには一緒にいない感じだった。
それでも自分の子供だと分かるんだなと思って、なんかすごいと思った。
見た目は同類の他の鳥とほぼ同じなのに。
何がすごいのか…動物に対する偏見かなこれは(苦笑)
その後もしばらく鳥を観察していたけど、「あまり長く座っててもなー、このあたり見る場所も無さそうだし、飲食はもういいし」と思い始め、宿へ向かうことにした。
街を出てすぐくらいのタイミングで、久しぶりに、いや今回の旅で初めてだ、昼間に便意がもよおしてきた。
なんの試練か…と思いながら、できるところまで我慢をしようと思い、歩き続けた。
海(というより干潟?)沿いの道を歩いていたのだけど、海の少し手前側は木が生えていて、
場所によってはそのあたりで用を足しても周りからは見えなそうだった。
「見えないし、ここでしてしまおうか」と何度も何度も思いながら、行動には移せず通り過ぎた。
そして、ただただ我慢しながら歩いた。歩くことだけに集中した(苦笑)
歩いている途中に、スイミングセンターやお店とかトイレがありそうな施設が海とは反対方向にはあったのだけれど、
そこに行くためには時速100kmを越えるスピードで車が走っている道路を渡らねばならず、車通りと車幅がそれなりにあったので、さすがに渡るのは断念した。
怪我をしたり、命に関わるようなことになったら嫌だったし。
であれば野糞をする方がマシ。いっときの恥だけだし、と思った(苦笑)。
とは言うものの、それもできずに我慢してひたすら歩いた(…orz)。
もよおし始めてから20分くらい経った頃かな、車道の下を通って渡れる歩道があった。
迷わずそこを通って海とは反対側へ向かった。
とにかくこの時は、トイレを探すことに全神経を集中していた。
幸いなことに、車道の下をくぐって比較的とすぐ近くに、コーヒーショップがあった。
もちろん迷わずに駆け込んだ。
今思うと笑えるのが、そんな緊急時でも、一応店員さんに「トイレ使っていいか」と聞いたこと。
店員さんの女の子は少し驚き、少し怪訝?そうな顔をしていたけど、オッケーしてくれた。
店員さんの回答を確認してから速攻でトイレに向かい、今回は事なきを得た(笑)
店を出る時に店員さんに手を合わせると、笑顔で返してくれた。
今回の試練はなんだったのかと考えてみたけど、答えは出ていない(勝手に試練だと考えている)。
単純に、昼前に食べたバーガーがなんかお腹へ刺激があったのかも、とは思ったけど。
でも、このことで、まだまだ人目を気にしてるって確信した。
たかがいっときの、しかも二度と合わないかもしれない人達に対しても、
いわゆる世間的に”外れた行動”をすることに抵抗をする、許せない自分がいた気がした。
面白いエピソードだけど、ある意味学びになった(笑)。
其の参へつづく